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ゆうあいReport第5号

広がる公共交通まちづくりの取り組み~どこでもバスバスブックからバス停プロジェクトまで~

プロジェクトゆうあいの主要な取り組みの一つとして、「公共交通のまちづくり」をあげることができます。松江の路線バス、鉄道の情報をまとめた「どこでもバスブック松江版」はその代表選手で、10年以上にわたって毎年1万部の発行を継続しています。

松江での私たちの取り組みのように、全国でも市民団体やNPOが、各地域のバスマップ(公共交通マップ)をつくる動きが広がっています。複数のバス会社が混在しているバス路線情報を、一元的に分かりやすく表現して市民に提供するマップというのは、実はどの地域でもあるようでないのです。自治体や交通事業者がバスマップをつくればいいのにと思いますが、そうなっていないのが日本の実情で、市民の側からバスマップをつくるという動きが生まれているのです。

バスマップを市民の手でつくっている、あるいはつくろうとしている市民団体、NPOがそれぞれの情報交換を目的として、全国バスマップサミットなるものが開催されています。2003年に岡山でその第1回サミットが開催され、以降毎年全国で開催されています。松江でも2005年に開催され、今年2013年は高松で開催。北は北海道から沖縄まで、これらサミットの開催もすべて市民団体、NPOによる手弁当の催しです。

プロジェクトゆうあいでは、このサミットでの情報交換に刺激をうけながら、公共交通まちづくりに関する様々な事業を展開しています。バスブックだけでも、出雲版、安来版、江津版、島根観光版などの制作発行に関わっているほか、バスの乗り継ぎイベントや、駅前の路線バス総合サインの制作、バス待ち専用ベンチの開発なども手掛けています。近年では、バス停クリーンアッププロジェクトとして、人権啓発ポスターや漫画家の園山俊二さんのイラストとセットにしてバス停のボードをきれいにしていく活動や、バスマップをもとにしたバスマップすごろくの開発、商品化も果たし、巨大なバスマップすごろくを制作してイベントでは多くの子どもさんに楽しんでいただいています。2012年には、これらの取り組みが評価されて、日本モビリティマネジメント会議(JCOMM)から表彰を受けることにもなりました。

直近の話題としては、松江・出雲・安来エリアの観光版バスマップ「縁結びバスマップ」を自主研究として目下開発中で、ちかじかお披露目の予定です。このマップを持ち歩く観光客が見られるようになるなることは間違いなしで、とっても楽しみです。

ゆうあいタイムライン(2013年7月~9月の足跡)

7月

「てくてく日和島根版」夏号発行

今回はご要望の多かった出雲大社周辺を特集としています。平成の大遷宮の年を迎え、出雲大社周辺も観光客で賑わうとともに、周辺の町並みも整備されている中、盛りだくさんのバリアフリー情報を紹介しています。

「ゆうあい夏祭り」大盛況

城北公民館にて「ゆうあい夏祭り」を開催しました。たこ焼きやヨーヨー釣りのお店を開きました。キッズスペースの子どもたちの家族を中心に、楽しいお祭りになりました。

白潟本町商店街で古本販売

地元の白潟天満宮例大祭に合わせて、だんだんハウス ゆうあい」を白潟本町商店街に臨時出店しました。ゆうあいの活動について展示でご紹介すると同時に古本を販売し、大盛況となりました。

「えみスマイル!」7月号完成

振動の数を確認することによって時間がわかる時計触読式振動時計メテオを紹介する動画「えみスマイル!7月号」をアップしました。YouTubeの検索からご覧いただけます。

出雲空港のバリアフリー調査

障がいのある方が出雲空港を快適に利用いただけるよう、どのような改修をするとよいかを検討するために、出雲空港内のバリアフリー調査へ行きました。

8月

「ゆうあい納涼会」を開催

事務所で働いているスタッフが集まり、納涼会を開催しました。昨年よりスタッフの人数が増えてとてもにぎやかに。年に数回開催している行事の大切さを感じさせる行事でした。

夏休みのキッズスペースゆうあい

夏休み中にキッズゆうあいでは、バーベキュー、ヨット体験、日御碕への遠足などのイベントを実施。子どもたちには、夏休みのとてもよい思い出になりました。

「ウェブアクセシビリティセミナー2013 in 松江」開催

松江駅前オープンソースラボにて開催しました。行政でホームページの更新を担当されている方など、15人の方に参加していただきました。ホームページのバリアフリーという概念が着実に広まっています。

廃油リサイクル事業の取り組み

「バイオ再生重油」と呼ばれる食用の廃油と車の廃オイルを活用して、再生重油にするというまだ全国にわずかにしかない取り組みを様々な企業、事務所と連携してこの秋から実証実験を開始することになりました。

9月

「市民活動フェスタ2013」に参加

松江市民活動センターにブースを設け、古本販売をしました。交流ホールでは、「どこでもバスマップすごろく島根版(しまねっこ電鉄)」の巨大すごろく体験と販売をしました。いずれも大盛況でした。

バス関連のイベントに参加

9月は2つのバス関連のイベントがあり、「第11回全国バスマップサミット in 高松」と「第4回バスまつり」にゆうあいから参加しました。いずれも巨大バスマップすごろくをたくさんの方に体験していただきました。

島根県の代表として選出

全国の地方新聞社と共同通信社の主催となる「第四回地域再生大賞」に山陰中央新報社さんに推薦をいただき、ゆうあいが島根県の代表として選出されました。多彩な活動団体が全国各県よりノミネートされる中、最優秀を目指します!

てくてくラジオをスポーツ祭東京に

大会メイン会場の東京味の素スタジアムと、駒沢オリンピック公園広場、世田谷区立大倉総合運動場広場に、AMラジオを使った「てくてくラジオ」が採用されました。各会場で視覚障がい者むけに、音声案内サービスが実施されました。

「市報松江」デイジー版、試験的に配布開始

松江市の広報「市報松江」のデイジー版が、来年4月から配布されます。それに先立ち、9号から試験配布を開始しました。デイジー(DAISY)とは、視覚障がいの方などのためのデジタル録音図書のことで、読みたい場所を探しやすい、便利な録音図書です。

「えみスマイル!」9月号完成

9月号は、画面読み上げソフト「PCトーカー」のケイト(Kate)という名前の英語女性音声と、英語音声の設定方法を紹介しています。ケイトの発音がとてもきれいで好評だそうです。YouTubeの検索からご覧いただけます。

バリアフリーまち歩き情報誌「てくてく日和」の発行裏話

2012年12月に第1号を発行して以来、3カ月に1号のペースで発行を続けているバリアフリーまち歩き情報誌「てくてく日和」ですが、おかげさまで多くのご愛読いただける読者さんに支えられ、現在第5号の発行に向けて作業を進めています。この冊子は島根県内の観光スポットをバリアフリーのまち歩きという視点により、順に紹介していくもので、現地に車いすのスタッフ、視覚障がい者のスタッフなどが出向いてしっかりと取材をして臨場感のある記事にすることを特徴にしています。また、交通機関や宿泊施設などのバリアフリー情報を、一覧で分かりやすく紹介することで実用性も持たせています。

フリーペーパーということで、発行のための経費捻出が大きな課題なのですが、実のところ、当初の2号分は制作・印刷費用の工面については松江市からの補助もあり、楽に進めることができました。しかし第3号からは自主発行ということになり、広告協賛をいただく中で、自立して事業を進めています。どうにか多くの企業さまに協賛をいただいていますが、今後も継続して協賛いただける企業、事業者さまを募りたいと考えています。

事業紹介コーナー

スピーチサポートDS・PC

任天堂DSiでの障害者向け支援ソフトとしては全国で2例目、島根県内の企業では初めての例として発売されました。入力した文章を音声化したり、最大4人で近距離リアルタイム筆談でスムーズな筆談会話を可能としたソフトです。パソコン版もあり、こちらは文字入力がキーボードで行えるとともに、発声機能に優れています。

日常生活用具販売

音声に対応したパソコンソフト、ピンディスプレイ、点字プリンター、活字文書読み上げ装置など、日常生活用具で視覚障がい者に使いやすい製品を幅広く取り扱っております。これらは、視覚障がいのスタッフがお問い合わせに対応します。お気軽にお問い合わせください。また、スピーチサポートPC版(DSは不可)も日常生活用具対応となっています。

お知らせ

よしととひうたの新感覚紙芝居&ランチバイキング

12月15日(日)11:00~13:00

昨年にひきつづき、ニューアーバンホテルを会場に、障がいのあるお子さんとその家族を対象とした「よしととひうたの新感覚紙芝居&ランチバイキング」を開催します。ゆうあいの利用者さんだけでなく、松江市内の特別支援学校、特別学級の生徒さんに幅広く参加していただきます。

ゆうあい大忘年会

12月13日(金)18:30~20:30

ゆうあいで働くスタッフ、ゆうあいの会員さんなどに呼びかけての大忘年会を、お隣の城北公民館で開催します。

よりよいまちづくりを目指して

プロジェクトゆうあいでは社会をよりよくするというミッションのもと、さまざまな非収益事業を実施しております。多くの方のご支援をお待ちしております。詳しくはパンフレット、またはゆうあいHPの右上のバナー「ゆうあいの活動にご支援ください」にてご紹介しています。

U-BOOK報告

U-BOOK(古本事業)では2013年7月~9月の間に4,507冊の寄贈をいただきました。ネットからの販売ではセット巻を含む合計約660冊、548,813円となりました。売上代金は障がいのあるスタッフの報酬にすべて還元させていただきました。

発行

発行元:
NPO法人プロジェクトゆうあい
住所:
松江市北堀町35-14
電話:
0852-32-8645
メール:

info@project-ui.com

プロジェクトゆうあいの取り組みに賛同いただいている方に会員になっていただいています(年会費3000円)。会員になりますと、法人の取り組みをメールを通じて随時ご報告していくほか、各種イベントへのご案内をしています。